けれど深谷は手を動かしたまま。
顔を上げてもくれない。
深谷は声色を変えないまま、感情の分からない声で言った。
「俺のあの告白だけど、別に付き合いたいとかそういうんじゃないから」
あたしはその言葉に俯いたまま何も言えない。
そんなあたしに聞かせるように深谷は言葉を続ける。
「だから気にしないで」
深谷はそう言うと、やっと顔を上げた。
笑顔とは言えない笑顔を顔に貼り付けたままの顔が痛々しい。
自分は笑ってるつもりなのかもしれないけど、ぜんぜん笑えてない。
今まで通りでいいよ。
そう言った深谷の言葉に、あたしの胸は苦しいくらいに締め付けられた。
あたしは用紙を机の上に置くと、深谷の前に立った。
「握手」
片手を差し出し言う。
もちろん突然のあたしの行動に、意味が分からなさそうに首を傾げた深谷は、
「は?」
情けない声を出す。

