やり終わらないとマジで帰してもらえない。
お互いそう思ったのか、何も言わずに立ち上がった。
「頑張ろっか…?」
「そうだな…」
要するに10ページある用紙を揃えてホチキスで止めろってことだろう。
用紙には〝保健委員〟の文字があったから、今回はマジで保健委員の仕事らしい。
でもさ、どうしてあたしと深谷だけなのさ…。
「はぁ…」
ため息しか出てこない。
でも早く帰りたいから早く終わらせるしかない。
そう考えたのは深谷も同じらしく、黙々と用紙を揃えていっていた。
静まり返った空間。
妙に緊張するのは、あの日深谷に思いもよらなかったことを言われたから。
〝お前が好きだ〟
恥ずかしくないのか? って思うほどの真っ直ぐな告白に、あたしの方が恥ずかしくなってしょうがない。
あれからも変わることなく4人でいたけど、こうして2人きりになるのは久しぶり。

