「大切な…人」
「ん?」
〝婚姻届〟という紙切れ1つで結ばれた薄っぺらい関係。
お互い何も知らない同士でできあがった〝偽〟の夫婦。
まだ1年もたっていないけど、変わってきた心に嘘はつけない。
時間なんて関係ない。
あたしはもう気づいてる。
「泣きたいときや笑いたいときに傍にいてくれる…大切な人」
あたしは正直な言葉を口にした。
偽りじゃない。
迅はずっと1人で我慢してきたあたしの心を初めて溶かしてくれた大切な人。
今じゃいなくてはならない大事な人。
だから言いたい。
ずっとずっと言いたかった言葉。
「…ありがとう」
あたしは首だけを迅の方に向け、はにかみながら言葉を零す。

