「あんな…悲しい瞳をしないで…」
もう見たくない。
あの瞳にさせてしまったあたしの責任でもあるけれど、もうあの泣きそうな瞳は見たくない。
いつも笑っていてほしいと思う。
あたしを馬鹿にしてもいいから、ただ毎日笑顔を見せてほしいと思う。
すると迅は声のトーンを少し下げて訊いてきた。
「瑠璃にとって…俺はなに?」
あたしに…とって…?
あたしはその言葉に口篭ってしまう。
考えたことなんてない。
ただ迅は貧乏なあたしたち家族を〝結婚〟という手段で助けてくれてる―――あたしにとっては飼い主みたいな存在だ。
迅があたしを捨てたらあたしは行き場がなくなってしまう。
またあの苦しい生活に戻ってしまう。
最初はそれだけだった。
でも今は―――…

