「先に寝室行ってていいよ」
シャワーの音に混ざりながら迅はそう言ったけど、絶対これも分かってて言ってるに違いない。
「………」
1人で寝室まで行けるわけねぇだろうがッ!! なんて心の中で絶叫し、あたしは下着に手を伸ばした。
毎回毎回思う。
この下着って誰が買ってきてるんだろう…?
自分で買ったことは一度もない。
風呂から上がれば置いてあるからそれを着てるだけ。
何も考えずに着てる自分を馬鹿だと思う。
でもこれを着るしかないから、何も言わないし何も訊かない。
まさか迅が直々に買ってきてるわけはないよなぁ、なんて考えながらショーツを履く。
まさか…ね。
櫻井グループの息子が女性の下着の場所にいたら、それだけで新聞の一面を飾るよなぁ? なんて考える。
今のところ問題になってなさそうだから、直々に買っているという可能性はゼロに近くなる。
お母さん…?
なんて考えも浮かんだけど、あたしのお母さんがこんなドピンクのセクシーな下着を買ってくるわけがない。
買ってくるとしたらそこらで安売りしてるオババ下着だろう。

