「うぅ…ふ…」
迅の足の間で小さくなって泣きじゃくるあたしの背中に手が回る。
今のあたしにはテレビから聞こえてくる音のなにもかもが怖くて、体をちぢ込ませることしかできないでいる。
だから怖くても迅にしがみ付くことができない。
「泣かないのー」
笑いながらそんな無茶なことを言って背中を撫でる。
あたしは嗚咽を漏らすことしかできなかった。
迅はあたしを抱き寄せる。
迅の胸とぶつかる。
迅のぬくもり。
「瑠璃」
そう優しく名前を呼ぶと、子供をあやすように後頭部を撫でる。
DVDを消してくれればいいのに、それをしてくれない。
きっとふざけてる。
きっと馬鹿にしてる。
自分は余裕だからって楽しんでるに違いない。
それでもこの体温に心地良さを覚える。
このままでもいいと思ってるあたしが確かに存在する。

