プラトニック・ラブ





もう涙は止まっていたけど、目に溜まっていた涙を腕で拭い、再びナイフを持ってリンゴの皮を剥き始めた。



剥き終わったリンゴを見て、佐藤さんは「上手いな」って褒めてくれた。


だから「そうでしょ?」って胸を張って言ってみたら「俺の方が上手いけど」なんて尤もなことを言われてしまったもんだから、あたしはブスッと頬を膨らまして口を閉じるしかなかった。



それからたくさん切ったフルーツで、何種類ものデザートの作り方を教えてくれた。


本当に上手くて、こりゃ店を出すだけのもんはあるなぁなんて関心してしまった。



まるでお父さんと遊んでいるようで、凄く心が温かくなった瞬間だった。




――――…




「できたっ!」


満面の笑みで喜びを表現する。



最初はちゃんと佐藤さんの言うとおりに作ってたけど、予想以上に量が多くてデザートの量が半端ないことになってしまったから、途中から今日のおやつとしてパフェを作ることになった。


そしてできあがった。



「おーおー、なかなかじゃん」



厨房にあったコーンフレークやホイップクリーム、チョコレートやアイス、そしてたくさんの果物がのっている、普通に買ったらとんでもない額になりそうなパフェが出来上がった。



完成度もそれなりで、かなり満足な出来上がりになった。