けれどそんな申し訳なさそうに頭を下げるあたしの頭上から、大きな笑い声が降ってきた。
あたしは慌てて頭を上げると佐藤さんを見つめる。
暫し佐藤さんは笑うだけ笑うと、落ち着こうとしているのか深呼吸をして言った。
「どっちかというと喜ばしいことなんだけどね」
謝る必要はない。
不思議そうに首を傾げるあたしにそう言うと、優しい笑顔で笑うとあたしに言った。
「瑠璃ちゃん達には感謝してるんだよ」
あたしの頭を撫で、厨房へと入って行った。
いつの間に…。
どうやらあの扉は厨房へと続いていたらしい。
あたしは佐藤さんの後に続いてお邪魔させてもらうことにした。
邪魔にならないようにどこにいようかとキョロキョロしていると、気の利く佐藤さんは言った。
「そこの椅子使っていいよ」
「あ、ありがとうございます」
有難く椅子を借りると座った。
なんとなくバレないように佐藤さんに視線を向ける。

