プラトニック・ラブ





「美智子がここに来てから、英二は美智子の料理ばかりを食べるからお暇なんだよ」



美智子、それはあたしのお母さんの名前。


あたしは暫し考え、そして気づくと慌てて聞き返す。



「美智子って…佐藤さんもあたしのお母さんと仲良しなんですか?!」



「そうだよ。 俺と英二と美智子は同世代だ」



「そ…そうなんですか…」



お母さん…アナタなにげに良いお友達をお持ちじゃないですか。



お母さんがこんな人達と仲良しだったなんて知らなかったあたしは、驚きを隠せなかった。



けれど引っ掛かった。


〝英二は美智子の料理ばかりを食べるからお暇なんだよ〟


その言葉の意味にやっと気づいた。



「あの…ごめんなさい…」



あたしは小さく俯きながら言葉を零す。



「ん?」



「お仕事を…減らしてしまって…」



実際、最近毎日と言っていいほどあたしは料理を作っている。


多分それはお母さんも同じようなとこなんだろう。



そのせいで迷惑している人達もいるということを気づかなかった。