突然体に走った、今までにないような衝撃。
デカイ壁のようなものにぶつかったのか、耐えられない衝撃に思いっきり尻もちをつく。
咄嗟に地面に付いた右手から右手首へと激痛が走る。
「いって…」
あたしは何にぶつかったのかと慌てて顔を上げる。
と、そこにいたのは―――…
「うおーうっ! スマンなぁ!」
…―――佐藤さんだった。
薄暗くても分かったその影と声に、あたしは目を見開いたままフリーズしてしまった。
叫ぶところだった。
いや、この恐怖心を吹き飛ばすためにも叫びたかった。
まさかこんなところに佐藤さんがいるとは思わなくて、瞬きを繰り返し、酸素を求める魚のように口をパクパクさせたまま固まるあたしを見た佐藤さんは、
「んんっ?!」
声を上げるとあたしの前にしゃがみこんできて、じっくりと顔を覗き込んできた。
もしや…気づいていない?

