「…瑠璃」



名前を呼ばれた瞬間、目の前がうずめいた。


グルグルとコーヒーカップにでも乗ったような目の回る感覚に呻くと、ストンっと床に座り込んだ。



体が熱い。


頭が痛い。


気持ち悪い。




胸が苦しい。




気づけば横に倒れていた。



「瑠璃っ」



迅はあたしの名前を呼び、慌てて駆け寄ってくると抱き上げた。



「熱…あったの気づかなかった? …って気づかなかった俺が馬鹿か」



そのままお姫様抱っこをする。


今のあたしは気持ちが悪すぎて何も考えられなかった。