ちょっと違う。


少し違う。



違う。


ぜんぜん違う。



「深谷…」



ふと顔を上げる。




向こう側――――そこには迅がいた。




バチンと合わさる視線。


サーっと血の気が引いていく。



「は、離して…っ!!」



あたしは咄嗟に叫んでいた。


同時に深谷の体を押し、その中から抜け出す。



深谷も驚いていたけど、迅の姿を見た瞬間何も言わずに俯いたまま保健室から出て行った。



あたしは俯いたままギュッと目を瞑る。


見られた…。