「皆川…どうして隠す?」
言えない。
例え口が裂けても絶対に言えない。
すると深谷はスっと目を細めた。
そして言った。
「何か…やましいことでもあんの?」
あたしは弾かれたように顔を上げ、ブンブンっと首を左右に振る。
バレたくない…っ。
迅に迷惑はかけたくないという気持ちと、友達に軽蔑されるコワさ。
頭がガンガンと痛みを増す。
深谷の目は真実を移す鏡みたいに見えて、あたしはパっと顔を背けた。
「深谷には…関係ない…っ!」
突き放す言葉を言う。
今まで見たいにふざけ合うことができなくなるかもしれないけど、それでもこのことは隠し通さなきゃいけない。
あたしのことだけの秘密じゃない。
あたしと迅の秘密だから。

