38.5度。
かなりどころじゃない熱があった。
気づかなかった自分って…。
「これ担任に渡してくれる?」
書き終わった紙を深谷に持たせると、
「帰る仕度して来な」
そう言って保健室から出て行ってしまった。
久しぶりにこんな高熱が出た。
だからこんなに体がダルいのか…。
そりゃそうだと納得できる。
「お前馬鹿じゃねぇの」
「…うっさいな!」
あたしは深谷を睨み付け、教室から鞄を持ってこようと立ち上がったときだった。
突然腕を掴まれ、歩くことを止められる。
「…なぁ」
深谷は口を開けるとあたしを見て言った。
あたしを脅かせる、その言葉を。

