「深谷、こっち来て」
そう呼び、長椅子に座らせる。
すると深谷は失礼なことを言ってきた。
「お前できんのかよ」
あたしは遠慮なく傷口目掛けて消毒液を発射した。
「ば…っ!! いってぇッ!!!」
「あたしをなめないでね?」
消毒液を装備したままニコリと、笑顔とは言えない笑顔で笑う。
さすがの深谷も今のあたしには勝てないと思ったのか、
「…スンマセン」
そう言って静かになった。
大人しくされて消毒液を一気にぶっかけるのは少し可哀想だから、丁寧にやってあげることにした。
大きめの絆創膏を貼って完了。
それを見てた深谷は目を丸々にして驚き、声を上げた。
「へぇー。皆川ってこういうの上手いんだ」
「まあね」
消毒液を元の場所に戻すと深谷の隣に座る。

