プラトニック・ラブ





「…ん。 深谷…?」



あたしは目を擦りながら上半身を起こす。



ニカっと笑った深谷。


さっき迅が座ってたパイプ椅子に腰掛けていた。



「平気かー?」



「うん…微妙」



よく寝た気がする。


ちょっと頭がスッキリした。



「ちょっと訊いてくれよ。 俺さ怪我して保健室来たんだけど、あのオバちゃん俺をおきっぱにしてどっか走って行ったんだぜ?」



「ははっ、いろいろ忙しいんだって。 あたしが来たときいなかったもん」



あたしはそう言って視線を深谷に向けると見てしまった。



膝の怪我。


まだ血が滲み出ている。



痛そうな傷に顔を顰めながら訊く。



「消毒してないの?」



「あぁ。今来たばっか」



「やったげる」



あたしはそう言うとベットから降りて上履きを履くと深谷を呼んだ。