「迅…ごめんね」 「ん? なにが?」 「仕事…頑張ってね」 〝あたしは平気だからちょっとしたら行ってね〟 そんな気持ちを込めて言った。 いつまでも引き止める訳にはいかない。 「うん。 頑張る」 その声が耳に入ってきたのを最後に、あたしは久しぶりに深い眠りについた。 ――――… 「……ん」 誰かの気配にゆっくりと目を開ける。 射してくる日差しに目を細める。 「皆川、起きた?」 あたしの顔を覗き込む影が1つ。 そのおかげで影ができ、眩しくなくなった。