「重くないよ」
「…嘘つけっ」
小刻みに揺れる。
この揺れが睡魔を運んでくる。
階段を上らずに真っ直ぐ歩いて行くと、入ったことのない部屋に入った。
中は真っ暗闇。
けれど迅が何かをカチンと押すと、淡い光に包まれた。
「…何すんの?」
警戒気味に呟いた言葉に、
「髪の毛乾かさないと風邪引くでしょ?」
優しくそう言うと、フワフワの丸椅子の上にあたしを下ろした。
それなりの配慮をしてるのか、迅はあたしの方を見ないままどこからかドライヤーを持ってきた。
「大人しくしててね」
そう言うとクルンとあたしが座ってる椅子を回し、大きな鏡と向き合わせるようにする。
え…?
迅がやんの…?

