「い…?! 痛…っいった…っ!!!」 グンっと後ろに引っ張られる髪。 迅の声は近距離から聞こえたわけじゃないから、迅が悪戯をしたわけじゃないだろう。 背中まで伸びた髪。 引っ掛かったとしか考えられない。 急いでチャックを引っ張る。 しかしそれが逆効果。 「…何してんだよ」 そう言うのと同時に聞こえてくる足音。 「ま…待ってっ!!」 あたしは慌てて声を上げる。 ヤバイ。 取れない。 痛すぎて涙が出てきた。 自分じゃどうしようもない。 髪を挟んだチャックは上にも下にもビクとも動かない。