あたしは迅に視線を向ける。
迅は口角を少し上げ、妖艶な笑みを見せた。
「ず…ズボンは…?」
「生憎スカートしかない」
なにそれ…。
むっとして俯き、そのとき閃いた。
「…あ! あたしの服は?!」
思い出した。
ちゃんと服を持ってきてるんだから、わざわざここにある服を借りる必要はない。
けれど迅から返ってきた言葉は、
「全て向こうの家。 お前のお母さんに渡したから、あの服はもうお前のじゃない」
突き落とす言葉だった。
あたしはその言葉の意味が分からなくて、眉間にシワを寄せ、言葉を発しようとしたときだった。
ちなみに、と迅は続ける。
「あっちの服は持って来させないようにしてあるから、持ち出して来ようなんて思わないこと」
そう言うと、さっきのワンピースと近くにあった露出度マックスの服を左右の手に持ちながら「どっちにする?」なんて笑みを含んだ声で尋ねてきた。
あたしは言葉をなくしたままポカンと地べたに座ったままでいることしかできない。

