迅の胸に額が激突する。
香水みたいな、女の人とは違う匂いが鼻腔をくすぐる。
「…ちょ、」
突然のことに驚いて声を上げる。
けれど迅はやっぱりきっぱりと一言。
「…寝ろ」
そう言ったときにはもう寝てたんじゃないかって思うくらい、慌てて顔を上げたときには目を閉じていた。
あたしはどうしたらいいのか分からず、けれど怒り出したりなんてしたら恐いから声をかけるのはもうやめようと思った。
となると出来ることは1つ。
なんとか抜け出してみようと試みる。
けれどそんな必死で腕の中から這い出ようとするあたしに一言飛んできたのは、
「…目ぇ開けたときいなかったらお仕置きな」
ビクリと、思わず背筋が震えた言葉だった。
変なことはしないと思うけれど…。
何もないような気がするけれど少し恐ろしいから、あたしは抜け出すことを諦めた。

