――――――とん
「…っ!!」
突然迅さんはあたしの肩に顎を乗せた。
鼻を掠める匂いや、近くなった距離、感じる体温に心臓は爆発すんじゃないかって勢いで暴れだす。
何だかいつもと少し違う迅さんに、寝惚けてるんじゃないだろうかと思った。
「迅…さん…?」
あたしの肩に顎を乗せたまま何も言わなくなってしまった迅さん。
唐突に不安になり、消え入りそうな声で名前を呼ぶ。
「…ねぇ」
声を発するたびに耳に息がかかる。
くすぐったい。
「…な、んですか…?」
わざとなんじゃないかと思いながらもそれを口にすることができない。
情けなく声が震えてしまわぬようにするのが精一杯だった。
「…どうしていつまで経っても〝さん〟付けなの?」

