あたしと迅さんは静かに視線を合わせる。


最初に口を開けたのはあたしだった。



「…食べます?」



「うん。 食べさせてもらうことにするよ」



そう言うと立ち上がる。


あたしも続くようにして立ち上がる。



「ねぇ、瑠璃って料理作れんの?」



「い…一応」



あたしの脇を通り際に、



「楽しみー」



そう耳元で囁かれた。


やっぱりあたしの心臓は大きく跳ねた。



心臓は正直だ。




机の上に並べられたのは本当に〝焼きうどん〟だった。


何も言わずに完食してくれた櫻井家の方々に、あたしは頭を下げたくなった。



…何だか申し訳ない。