「瑠璃」
物凄く近くで聞こえた声。
同時に耳を下から舐め上げられる。
「…ひぃっ!!」
ゾワゾワと何かが這い上がって来る感覚に、あたしは情けない声を発するのと同時に、勢いよく後ろに身を倒す。
そのせいで寝転がってしまった。
背中にぶつかる床が冷たく感じる。
「もっと可愛らしい声を出せよな」
そう言って妖艶に笑いながら上からあたしを見下ろすように眺めてくる迅さんは確実にSだ。
あたしは負けじと挑戦的に睨み気味に下から見つめる。
「……迅さん…Sですよね」
「俺がMに見えるか?」
見えません。
訊いた自分が馬鹿でした。
あたしは起き上がろうと方肘を床について上半身を上げようとしてみる。
…が。

