「言ったろ? 食ったりしないって」
「…分かりにくい」
「ん?」
「…わざとですよね?」
ズリズリと少しずつ距離を取りながら言う。
そんな警戒心マックスのあたしを見てやっぱり笑うと、
「そんな警戒すんなよ。 これから一緒に暮らしていく仲だろ?」
そう言ってあたしの頭を撫でてきた。
突然降ってきたあたしよりぜんぜん大きな手に、一瞬ビクついてしまった。
まるで子犬を撫でているかのように、なでなでとあたしの頭を撫で続ける迅さんはどこか面白そうに見える。
…あたし子犬じゃないのに。
「…迅さん」
「ん?」
ちょっとこれは訊くチャンスなんじゃないか?!
まさか直接社長さんに訊くなんて勇気はないから、今ここで迅さんに訊いておこうかと思う。

