プラトニック・ラブ





初めて出た気味の悪い女の子丸出しの声に、自分の口から出たくせに信じられなかった。



「は、はは…っ、離して…くださいっ!!」



必死の抵抗。


ドキドキしすぎて硬直した体なんて役に立たないから声を振り絞って叫んでみる。



すると迅さんは力をなくしたかのように、あたしの肩に額を落とした。


またまた近くなった距離に、ドキンっと跳ねる心臓は正直者。



「やっぱり面白いなぁ…」



「…む」



「気に入ったなぁー」



それはどこかで訊いたことがある言葉。


暫し悩んで心の中でポンっと拍手。


あぁ、ついこの間訊いたんだった。



「………」



あたしはそこで1つ思った。



〝気に入った〟



どうもこの言葉が引っかかる。


違和感のようなものを感じる。