そんなあたしをおちょくるように、迅さんは耳元でふっと微笑むと、
「この借り、倍返ししてな?」
擦れた声でそう呟く。
同時に耳を甘噛みされた。
「ひゃあっ!!」
思わず出したこともないような声が喉から飛び出す。
慌てて口を塞ぐが遅い。
迅さんはやっぱりふっと微笑むと、
「女の子っぽい声出るじゃん」
なんて酷いことを言う。
今それを言わないでほしかった一言を言われた。
苛立っていた気持ちが急に恥ずかしくなる。
恥ずかしくなった気持ちが急に悲しくなる。
ショック。
何だよ今の声。
何だよ〝ひゃあ〟って。
何だよ何なんだよ。
自分…気持ち悪ッ!!

