「美味そーなの食ってる」
「皆川が珍しいー」
あたしはムっと眉を吊り上げ、やって来たその2人を睨み付ける。
そして、絶対に渡すもんか! っとサンドイッチを両手で取り囲みながらそっぽを向く。
「うっさいな。 ほっとけ」
ツーンっとそっぽを向いたまま、あたしは警戒しながらサンドイッチを頬張る。
そんなあたしを見て美沙は小さく笑っていた。
三山。
そして深谷。
いつも一緒にいて、何かしらとあたしと美沙の邪魔をしてくるクラスメイト。
そんな時、突然目の前に何故か背後にいたはずの深谷が登場。
ハっと気づいた時には既に遅し。
深谷はひょいっとサンドイッチを掴むと、あたしに奪われる前に口を付けた。
「ちょっと――っ!!」
あたしは慌てて手を伸ばす。
だがそのサンドイッチは食いかけと化してしまっていた。