「…分かった」 ソイツは息を吐いてそう言って頷くと、ドアが開くのと同時にあたしの手を引いた。 あたしは引っ張られるがままに車から出て地面に足を付ける。 目的地に着いたらしい。 教えてくれなかった目的地。 視線を上げるのと同時に目にしたものは―――… 「ようこそ」 …―――見たことのある、豪華な壁面だった。