コイツだけじゃない。
運転手も爆笑してる。
一方あたしは〝間違えた?!〟っと焦りながらも顔を真っ赤にしてワタワタ言葉を捜す。
そんなあたしをからかうかのように、ソイツは苦しそうに腹を抱えながら言う。
「お前…どんな頭してんの…?」
それを言われたら終わりだ。
あたしは真っ赤な顔をもっと真っ赤にして恥ずかしがるしかない。
穴があったら入りたい…。
どうやらあたしは何かを間違えたらしい。
妄想のしすぎ、というべきなのか。
「やべぇ…かなり久しぶりにツボった…」
そう呟いて外の風景を見つめるソイツは本当に苦しそうに見える。
前へと視線を向ければ、サングラスの運転手は〝やばい〟とでも思ったのか、ピタリと笑い声を止めた。
けれど肩が震えてる。
恥ずかしい。
恥ずかしいとかそんな問題じゃない。

