プラトニック・ラブ





あたしの腕を掴んだまま、ソイツはもう一方の手で伝票を取ると会計へと向かう。



「ちょ…、どこに行くんですかっ?!」



「ついて来れば分かる」



そ…そりゃあそうでしょうけど…。



ソイツは手短に千円札を出し、おつりを受け取ると外へと出た。


あたしは未だ手を掴まれたまま、引きずられるようにして後について行く。



急に何なのだろう?


いきなりすぎることが多くてついていけない。



身長があまりにも違いすぎるせいで歩幅が全く違う。


ソイツの歩幅に合わせて早歩きするのは何ともキツい。



それこそ顔面から地面にダイブすんじゃないかって冷や冷やしながら、足元に注意して必死について行く。



危ない。

かなり危険。



コイツがあたしの腕を離したのと同時に顔面ダイブすること間違いない。



少しくらいあたしに気を使ってくれてもいいんじゃないかと思うスピードに腹が立つ。



そして何を考えているのか。


大通りに出たと思ったら、すぐ傍に停止していたリムジンのドアを開け、あたしをその中にほおりこんだ。