「飲め」 「…ふぇ?」 唐突に関係のない言葉に、構えていただけあって情けない声が飛び出した。 な…なんぞ…? 「なんだあれか。 ジュース代とか気にしてんだ?」 う…。 図星をつかれた。 ど真ん中ストライクのせいで言葉が出ない。 「そんなこと気にすんな」 「で、でも…」 「そんくらい俺が払う」 「…すみません」 やっぱり大人なんだなぁと思った。 オーラとか手際の良さとかもろもろ、クラスの男子とは比べ物にならない。 社長の息子とだけあって、やっぱり心構えが違うのかもしれない。