ダラダラと流れ出る汗のような液体は、決して暑いせいじゃない。
背筋を走る電流のようなのは悪寒に近い何かに違いない。
それこそこれが人生最大のピンチというものなのかもしれない。
まさかの16歳にして訪れるなんて、どこの誰が思ったことだろう。
一歩でも間違えるとあたしはここで人生を終えることになってしまうかもしれない現実が眼前に迫っていた。
そこにいた人物。
あたしが会いに行かない限り二度と会うことがないと思っていた。
――――櫻井グループの息子。
あたしがパーで叩いたチョーリッチマン。
ギャ―――スッ!!!!!!
それこそモンスターみたいに口から火を噴出しそうな叫び声が脳内で炸裂する。
見られた。
見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた…っ!!!!!!!

