あたしは人の話をろくに訊かずに寝るような奴だ。
確実に反発されると思っていたんだろう。
すんなり受け入れたことに驚きを隠せないようだった。
目が〝…え?〟っという言葉を物語っている。
ちょっとニンマリほくそ笑んでみたくなる。
けれど頭を使うあたしはそんなことはしない。
「え、えぇ…。 そうよ」
ちょっと愉快。
「それで先生、授業が始まっているのでもう教室に戻ってもいいでしょうか?」
言った。
ここでとどめの一言。
オバちゃんはあたしのその質問に少し間を空けて、
「………えぇ」
悔しそうに呟いた。
ちょっぴり愉快。
あたしは立ち上がり頭を下げた。
その時のあたしの顔ときたら、今までにないくらいの笑顔だったに違いない。

