プラトニック・ラブ




あたしの態度にムカついたのか、何やらさっきより眉を吊り上げて、



「見っともないから立ちなさいっ!!」



そう一喝した。



あたしはこれ以上機嫌を損ねる前に急いで立ち上がると、後ろの男子に頭を下げてから椅子を元の状態に戻した。



見つかっちゃったし…。


面倒なことになった。



どうやらまだ話の途中だったらしい。


全生徒の視線があたしへと向けられていた。



お…おおぅ…う…。


こ、これはヤバイでしょ…?



けれどそう思っているのはあたしだけじゃないらしい。


あたしを注意した生活指導のオバちゃんも〝ヤバイ〟そんな青ざめた顔をしていた。



本来ならば、小声であたしを起こすつもりだったんだろう。


きっと蚊の羽音だと思っていたあれはあたしを呼ぶ声だったに違いない。



呼んでも呼んでも起きないあたしに腹が立ち、持っていたその名簿であたしの頭を叩いた―――っと、こんな感じだろうか。



あぁ…もうなんてことをしてくれたんだ。



おかげでみんなの視線を浴びるという、とてつもなく恥ずかしい羽目になってしまった。