確かにそうだ。 今回だって確実に悪いのはアッチだけど、手が出てしまったあたしの方が悪くなる。 しかも相手はあんな家に住む跡取り息子。 いつだってどこでだってそう。 手を出した方が負け。 「怒りが収まったら謝りに行きな」 お母さんはそう言うと静かになった。 そしてほとんど同時と言っていいほど、次の瞬間にはイビキをかいていた。 何なのだか。 あたしは上向きになり、ボーっと天井を見つめる。