そして、倒れた敏史に手をさしのばす。


「本当はこんだけじゃ済まないし、もっとお前を殴りたい。つーか殺したいくらいうざい」


手を軽く振り、敏史の手を促す。


「だけど」


敏史の手をとり、敏史を立たせた。


「お前、本当は構ってほしいだけなんだろ?」


「…………っ」


「中学の時からそうだったもんな。彼女の…あきなに構ってほしくて、浮気ばっか繰り返してさ。」


「あきなじゃなくて朱音だ」



名前の訂正はするが内容にはなにも言わない敏史。


やはり図星のようだ。