そしてゆっくり私の上からどいてくれて。


静かに涙を拭いてくれたから驚いて、えっと声を上げたら


にこっと笑ってシーと口に人差し指をたてる原敏史さん。


そして私の携帯を拾い上げて


「あーそんなに泣かれると、止まらなくなる」


…え?


そして原敏史さんは、またにこっと笑って、私の背中とベンチの間に手を入れるから


「えっ、ひゃっ」


なんて声を上げてしまって。


でもそれは体を起き上がらせてくれるためだったとわかった。


指でOKをする原敏史さん。


…な、なんなの?