学校が見えて、小走りになる。
『柊高校一hiragi high school』
という看板を見て少し気分が上がる。
あとは朱音の彼氏さん…原 敏史(ハラ サトシ)さんを捜すだけ。
けれど名前しか知らない私が捜すのには、かなり難しいことで。
うーんと悩んでいるところで携帯が鳴った。
あ、空先輩だ。
「もしもし…」
『つくしちゃん?』
空先輩の声にどきんとする。
「はい、つくしです…」
緊張して上手く話せない私。
『ははっ、そんな緊張しないでよ。』
電話越しから聞こえてくる空先輩の優しい笑い声。
空先輩の笑顔を思い出して、もっと緊張する。


