呆気に取られるオレ達の横で携帯を耳に持っていく敏史。
「え、マジかよ!おう、今すぐ行く!ありがとなっ」
敏史はそう言ってパタンと携帯を閉じ、
「駅前のカラオケ302号室だってよ!」
そう言って立ち上がった。
「でかした!行くぞっ」
そう言ってあきも立ち上がり行こうとした。
が
「おい空、行かねぇのかよ」
オレは立ち上がらなかった。
このまま行ったら一時的な解決にはなるかもしれない。
けれど、スッキリは終われない気がしたからだ。
「先輩早く行きましょ…」
「敏史」
オレはゆっくりと敏史を見た。
「そのネックレスは朱音にあげろ」


