幼なじみだからかな、なんてチロリと拓ちゃんを盗み見すると


「ん?」


「え、あ、いや…」


バチッと目があってしまった。


「なに?つくし」


そう言って徐々に縮めてくる拓ちゃんとの距離に、ドキンと心臓が跳ねる。


「う、あ、とトイレ!トイレ行って来る」


焦った私は、勢いでそう言って部屋を出た。


「び、びっくりしたぁ…」


間近で見た拓ちゃんの顔。

少しだけ上目遣いで、なんだかいつもの拓ちゃんじゃなかった。


「く、暗かったからだよねっ」


きっとそうだ。

カラオケボックスっていういつもと違う雰囲気だった、ただそれだけだよ。