「…朱音大丈夫かな」
頼んだコーヒーを飲みながら、ぽつりと言った。
「は?」
「だって限界って言ってたんだろ?」
するとあきはふぅ、と息を吐いた。
「まぁ、確かにな」
そう言うあきもどこか心配そうで。
「お前、心当たりねぇのかよ」
そんなこと、オレに聞かれても。
いきなりのあきの言葉に焦るオレ。
だけど心当たりなら…
「敏史…」
「サトシ?」
「あぁ、オレの中学ん時の部活の後輩でさ。朱音の彼氏なんだよ。
よく浮気しててさ」
そうあきに説明してから、でも…と思った。
でも敏史はもう浮気しないと言ったはずだ。


