あきはオレと目を合わせずにこう言った。
「妹んとこ行った」
「…は?」
話の内容が掴めず、ついあきの顔を見て聞き返した。
「雪音んところにメールが来てさ。“もう無理、限界。早く来て”だって」
ガックシ肩を落とすあき。
「…そうか」
そんなあきに返す言葉が見つからなかった。
「…………」
お互い黙り合いながらとぼとぼと歩く。
「…お前、暇だろ」
そんな沈黙を先に破った方はあきで。
「……まぁ」
「あそこでも入るか」
そう言ってあきが差したのは喫茶店で。
あきとこういうところに入るのは久しぶりだった。


