言葉に詰まっていると、拓馬が口角を上げて言った。


「嫌ですよね?つくしがキスするなんて。普通に考えて嫌だと思います」


そして拓馬はポケットから鍵を取り出して、指でクルクルと回し始めた。


「ここに鍵があります。これはオレたちが劇をする図書室の鍵です」


そしてパシッと回っていた鍵を握り、拓馬はニヤリと笑った。


「ここで勝負です、先輩」


ニヤリと笑うその表情に圧倒されて、オレは何も言えなくなる。


「劇の最中、図書室は鍵を閉めています。

オレたちのキスを止めたければ、もうひとつある図書室の鍵を探して来て下さい」