とにかく今は、あの拓馬の見くびるような微笑みにいらついて仕方ない。 なんだあの勝ち誇ったような微笑み方は。 ……ムカつく。 ガンッ 横にある壁を蹴る。 「…ったく。オレらしくねぇ」 本当、らしくねぇ… 誰もいない廊下で、オレは壁にもたれてはぁとため息をついた。 そしてずるずると崩れていって。 情けない… 体が動くようになったのは、チャイムの音が二回ほどなってからだった。