けれど、知美には通じないようで。 「嘘だあ。誰のー?」 「嘘じゃないよ。拾ったの」 すると、つまらなそうに、なんだあと言う知美。 「ていうかどこ行くの?」 確かに。どこに行こうかな。 「売店で飲み物買うよ」 なんて思いつきで言ってみる。 「じゃあ私も行く」 そう言って知美がついて来ることなんて、わかっていた。 売店でも屋上でもどこでもついてくるだろうけど。 階段を降りる。 売店は一階だ。