今日はつくしちゃんと帰りたいんだ。 文化祭の姫役も気になるし、 なによりあきにあんだけ言っといて自分はなにもしないなんて、それこそつくしちゃんを取られてしまう。 だから後で誘うつもりだ。 「行こう?ひまでしょ?」 「ひまじゃないよ」 「何があるの?」 何か答えるとすぐに返ってくる質問。 知美の話すテンポはいつも早い。 オレは飲み終わった紙パックを握ったまま、立ち上がった。 「ごめん、帰りたい人がいるんだ」