先輩達を交わして、屋上に繋がる階段に。 やっとゆっくり出来る、と思った瞬間。 「そーらっ」 聞き慣れた声。 「知美」 香西 知美(カサイ トモミ)。 唯一、同じ中学だ。 つーか、通ってた中学より随分と離れるここ、桜井学園に通うために オレはわざわざ近くのマンションを借りている。 だから同じ中学の子なんていないと思ってたのが正直なところなんだけど。 「屋上行くの?私も行くっ」 長い髪を揺らしながら、近付いてくる知美。 コイツは中学の時から変わってない。