ふー、と息を吐きながら、戻って来た朱音。


「朱音は、誰かと踊るの?」


私が聞くと、朱音はううんと首を振った。


「敏史が文化祭に来たい来たいうるさいのよ。だからもしかしたら敏史と踊るかも」


そう言って嬉しそうに微笑む朱音。


よかった。原敏史さんと寄りが戻ったみたいで。


あれから朱音は、不安そうな表情は全然見せないもんね。


本当よかった…。


「何にやけてるのよ」


「えっ、にやけてないよっ」


朱音の言葉に慌てて手を振る。


私にやけてたのかなぁ。

うー、恥ずかしい。