言葉にするのは簡単だけど… 空先輩モテるし…実際言えるはずなくて。 ふと台本に目をやる。 「王子様役…中村拓馬」 拓ちゃん!? 私の呟きに朱音がひょこっと台本に顔を出す。 「へぇ〜面白そう」 なんて本当に楽しそうに笑ってる。 ただでさえ恥ずかしいのに、拓ちゃんが相手だともっと恥ずかしいよぉ! 「つくし」 声の方を振り返ってドキンと高く波打つ心臓。 「よろしくな」 「た、拓ちゃん…」 私出来る自信ありません!